「両親との関係が悪いせいで緊急連絡先を頼めない…」
賃貸契約時に緊急連絡先の確保で悩まれる方は少なくないでしょう。
本記事では、緊急連絡先がいない場合どうすれば良いのかについて詳しく紹介します。
具体的な対処法を5つ紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 緊急連絡先が必要になる場面
- 親族に頼む以外の具体的な対処法
- 頼める相手の条件と相応しくない相手の特徴
緊急連絡先とは?
緊急連絡先とは、契約者本人が連絡を受けられない際に、本人に代わって連絡を受け、対応することを求められる役割です。
賃貸契約時や病院に入院する際、旅行する際などに必要になります。
使用されるのは本人が連絡を受けられないタイミングのため、本人の電話番号は選べません。
- 保証人との違い
- 本人確認と審査の有無
保証人との違い
必要になるタイミングが同じため、緊急連絡先と保証人は同じ役割だと間違われやすいですが、2つは全くの別物です。
役割や責任の有無を間違って把握していると取り返しのつかない事態に発展する可能性があるので注意しましょう。
大まかな違いは以下の通りです。
区分 | 緊急連絡先 | 保証人 |
---|---|---|
役割 | 緊急時に契約者に代わって連絡を受けて適切に対処すること | 契約者が滞納した際に代わりに支払いの責任を負うこと |
支払い責任の有無 | なし | あり |
選べる相手の条件 | 原則親族にするよう求められるが、親族以外でもOK | 2~3親等以内の親族のみ |
なお、病院入院時に登録する緊急連絡先に限り、保証人と同じような役割を求められる場合があります。
「身元保証人」と表記されている際は、必ず記載されている注意事項を確認してください。
本人確認と審査の有無
緊急連絡先は、登録時の記入ミスを確認するために本人確認が実施される場合があります。
確認を実施しているかは会社ごとに違いますが、意図的に適当な電話番号を記入していたり許可を取っていない知人の連絡先を無断で使用していたりすると、確認時にトラブルになるので注意しましょう。
また、審査は責任を負う役割ではないため基本的に実施されませんが、一部の保証会社では実施していると言われています。
そのため、できる限り信用情報に傷がある相手は選ばない方が無難です。
緊急連絡先がいない場合どうする?
緊急連絡先がいない場合の対処法としては、友人・知人・恋人を頼る方法や代行サービスを利用する方法が一般的です。
親族に頼む以外の対処法を詳しく紹介します。
- 親交が深い友人・知人・恋人を頼る
- 代行サービスを契約する
- 居住支援を行っているNPO法人に相談する
- 顧問契約や成年後見契約を結ぶ
- 自治体の窓口で相談する
親交が深い友人・知人・恋人を頼る
賃貸仲介業者でお部屋の相談をする際には、親族を設定するよう求められるケースが多いですが、緊急連絡先は親族以外を設定しても問題ない役割です。
そのため、親族に頼めない場合は、知人や友人、恋人を頼ることをおすすめします。
頼める相手が複数いる場合は、なるべく親交が深い人を選びましょう。
親しくない相手を設定してしまうと、途中で関係が薄れ変更の手間が発生する恐れがあります。
続き柄は「友人」「知人」「婚約者」などと記載しましょう。
代行サービスを契約する
親族だけでなく、友人や知人にも頼める相手がいない場合は、緊急連絡先代行サービスの利用がおすすめです。
代行サービスとは、利用期間に応じた費用を支払うことで電話番号や住所などの緊急連絡先を提供してもらえるサービスです。
誰でも利用が可能で、違法性は一切ありません。
ほかの対処法と比べて簡単な上、かかる費用が安いメリットがあります。
利用料金の相場は、1年あたり1~3万円です。
住居支援を行っているNPO法人に相談する
緊急連絡先だけでなく収入でも困っているのであれば、住居支援や生活支援を行っているNPO法人に相談することがおすすめです。
NPO法人とは、営利を目的としない社会貢献活動を行っている団体で、住居支援や生活支援を行っているNPO法人であれば、緊急連絡先の確保や物件の紹介などの賃貸契約に関わる様々な支援が受けられます。
代行サービスと違い利用に審査があるため誰でも利用できるわけではありませんが、その分受けられる支援の幅が広い点が特徴です。
住まいを失いそうといった不安を抱えている場合は、NPO法人に相談してみましょう。
顧問契約や成年後見契約を結ぶ
緊急連絡先は、弁護士や行政書士に依頼することも可能です。
方法は、弁護士の場合顧問契約、行政書士の場合成年後見契約を利用します。
代行サービスやNPO法人への相談に不安を感じる場合は、個人からの依頼を受け付けている弁護士や行政書士を探すと良いでしょう。
なお、顧問契約や成年後見契約を利用する方法は、ほかの対処法と比べて高額な費用がかかります。
安い所でも3万円以上、高い所だと10万円以上の費用が年単位でかかるので注意が必要です。
自治体の窓口で相談する
一部の自治体では、役所の窓口で緊急連絡先に関する相談を受け付けています。
そのため、自力で代行サービスやNPO団体を探すことに不安を感じる場合は、自治体窓口で相談してみることがおすすめです。
相談すると、提携しているNPO団体や代行サービスの紹介が受けられます。
なお、自治体で行っている支援の内容は自治体ごとに違いがあるため、相談すれば必ず対応してもらえるわけではありません。
相談して受け付けていないと断られたら、自力で代行サービスを探してみてください。
緊急連絡先が必要になるシーンとは?
緊急連絡先は賃貸契約時に必要になると知られていますが、病院で手術を受ける際や入院する際や危険を伴うイベントへ参加する際にも提出を求められることがほとんどです。
緊急連絡先が必要になるシーンについて詳しく紹介します。
- 入院時
- 賃貸契約時
- 危険を伴うイベント参加時
入院時
病院で手術を受ける際や入院する際は、病院にいる間に様態が突然悪化する可能性があるため、必ず緊急連絡先の提出を求められます。
すぐに連絡がつく親族や連絡してほしい相手を設定しましょう。
入院時に登録する緊急連絡先は、緊急時の連絡先としての役割だけでなく、身元保証人としての役割を求められる場合がほとんどです。
緊急連絡先(身元保証人)と表記されている場合は、本人に代わって各種手続きや支払い対応、亡くなった際の遺体の引き取りなどを行う必要があるため注意しましょう。
親族がいない場合は、病院に在籍している相談員に相談してください。
賃貸契約時
賃貸契約時には、ほとんど100%の確率で緊急連絡先の登録を求められます。
賃貸を契約した後で、契約者との連絡がつかなくなったり、お部屋で契約者が亡くなった際本人に代わって親族に連絡したりするためです。
法律で定められているわけではないため、探せば緊急連絡先なしで借りられるお部屋はあります。
しかし、保証人が不要な物件と違い簡単には見つかりません。
そのため、親族に頼めない場合は緊急連絡先なしで借りられる部屋を探すよりも、代行サービスを探すことをおすすめします。
危険を伴うイベント参加時
バンジージャンプやウォータースポーツなどの危険を伴うイベント参加時やツアー参加時にも、緊急連絡先の提出を求められる場合があります。
イベント参加時に提出が必要になるのは、ケガを負った際や事故に巻き込まれた場合に本人に代わって親族へ連絡をとるためです。
イベントの主催者次第では、交渉で提出をなしにしてもらうことも可能ですが、連絡先を提出できない場合はイベントの参加を断られるケースも珍しくありません。
親族や友人を緊急連絡先に設定する際は、どこに何をしに行くのか事前に必ず伝えておきましょう。
緊急連絡先は誰に頼んでも良い?
賃貸契約時に提出する緊急連絡先は、原則親族に頼む必要がありますが、困難な場合は友人や知人でも問題ありません。
緊急連絡先を頼める相手と頼むべきではない相手について詳しく紹介します。
- 原則3親等以内の親族に頼む
- 認められない可能性が高い人の特徴
原則3親等以内の親族に頼む
緊急連絡先は責任を負う役割ではありませんが、可能な限り3親等以内の親族に頼むよう指示される場合がほとんどです。
これは、親族以外の相手は時間の経過で関係性が変わったり、連絡先が分からなくなったりする可能性が高いことが理由だと言われています。
絶対に親族を選ぶ必要はありませんが、可能な場合はできる限り親族に頼むようにしましょう。
なお、友人や知人の連絡先を親族のものだと偽ると、確認された際に見破られる可能性がるため注意してください。
認められない可能性が高い人の特徴
緊急連絡先は保証人と違い誰を選んでも問題ない役割ですが、会話が困難な人や連絡がなかなかつかない相手を選ぶと断られる場合があります。
- 現在日本国内にいない人
- 電話対応が行えない人
- 日本語でのスムーズな会話が困難な人
- 未成年者
緊急連絡先は登録しても基本的に使用されずに終わりますが、使用される場合は必ず電話で連絡がきます。
そのため、国外在住者や会話ができない人のように、電話での連絡が困難な属性の人は登録時に変更を求められる場合があります。
有事の際に備えて、電話での対応が行える相手を選ぶようにしましょう。
なお、緊急連絡先相手も審査の対象としている会社があるため、信用情報に傷がある人もなるべく選ばないことをおすすめします。
緊急連絡先はいつ使用される?
賃貸契約時や入院時に提出する緊急連絡先は、本人との連絡が繋がらなくなった際や有事の際に使用されます。
登録完了後も変更は行えるため、連絡先を任せていた相手が電話番号を変えた際や引っ越した際には必ず最新の情報に更新しましょう。
- 本人との連絡が繋がらなくなった時
- 有事の際
本人との連絡が繋がらなくなった時
緊急連絡先は、原則本人との連絡が繋がらなくなかった時のみ使用されます。
そのため、緊急を要する連絡ではなかったとしても、連絡を無視し続けていたり電話番号変更後に登録情報を変更していなかったりすると、緊急連絡先相手に連絡がいくため注意が必要です。
緊急連絡先を使用されたくない場合は、自分宛てに連絡が来た時点で早めに折り返すことをおすすめします。
例外として登録する際のみ、本人への事前確認なしに緊急連絡先を使用される場合があります。
有事の際
緊急連絡先は、名前の通り有事の際以外には使用されません。
すぐにでも本人に伝える必要がある急ぎの連絡以外は、基本的にまず契約者である自分宛てに連絡が届き、自分が連絡に対応すれば緊急連絡先は使用されません。
有事の際とは以下のようなシーンが該当します。
- 契約している物件で火事や事件が発生した時
- 大規模な災害発生時
- 危篤状態に陥った時(入院時)
- 大けがを負った時
緊急連絡先の登録に必要な情報は?
緊急連絡先登録時に記入を求められる情報は、主に以下の6つです。
- 氏名
- 生年月日
- 年齢
- 続柄
- 電話番号(自宅・携帯)
- 住所
保証人登録時のように本人確認書類の提出は求められず、契約者が代筆しても問題ありません。
登録情報に間違いがあった場合審査が遅れるため、提出前にはしっかりと確認を行いましょう。
利用する会社によっては、緊急連絡先相手の職業や年収を記入する欄が用意されている場合もありますが、収入や現在の職業でほかの人へ変更するよう求められる可能性はほとんどありません。
緊急連絡先がいなくてもしてはいけないNG行為
緊急連絡先を頼む相手が見つからなかったとしても、以下のような行為をしてはいけません。
- 自分の連絡先を記入する
- 友人の連絡先を親族の連絡先と偽る
- 適当な電話番号や住所を記入する
- 許可なく人の連絡先を登録する
- 緊急連絡先代行サービスの連絡先を親族と偽る
上記で挙げたNGな行為を行ってしまうと、審査相手に気がつかれた時点で審査に落ちたり注意されたります。
場合によっては悪質だと判断され今後の利用を拒否される可能性も考えられるので、絶対にやめましょう。
親族にも友人にも頼めない場合は、代行サービスの利用をおすすめします。
【まとめ】緊急連絡先がいない場合どうすれば良い?
本記事では、緊急連絡先がいない場合どうすれば良いのかについて紹介しました。
親族に緊急連絡先を頼めない場合は、知人や友人、恋人に頼むことで解決できます。
親族だけでなく知人にも頼めない場合は、代行サービスを契約することで誰でも簡単に緊急連絡先を確保できます。
緊急連絡代行サービスは、利用に審査が無く年齢、性別問わず契約できるため困った場合はぜひ検討してみてください。